ご主人の思い|東京都北区のペット霊園・東京動物霊園

ブログ

2011.06.23

ブログ

テーマ:

ご主人の思い

ある日の事、電話で「ペットの遺骨が自宅にあります。納骨したらペットロスの症状を緩和する事ができ
るでしょうか?」という問合せを受けました。私は、「専門家ではありませんのではっきりと申し上げる事
はできませんが、納骨する事で落ち着く場合とかえって不安を招く場合があるようです。」と答えました。
その男性は、妻の事が心配で色々な所に相談したがいい方法がみつからない」と悩んでいました。
確実な答えを求めるその男性に不確かな事を言う訳にはいかないと思いましたが、とても苦しんでいる
ようでしたので「そういう事でしたら、一度納骨して様子をみてはいかがでしょう?悪い方向に進むよう
なら、また自宅に持ち帰る事ができます。」と話し、家族で相談するようお勧めしました。

納骨の日、初めてご夫婦にお会いしましたが、30代と思われる奥様は顔色が悪く、弱っているように
見受けられました。
お経の途中、奥様の気分が悪くなり横になって休んでもらう事になりました。
奥様は、「自分でもおかしいと思うんですけど、本当に具合が悪いんです。何もする気になれなくて、
昼間から寝込んでしまう程です・・・ こんな事ではいけないと分かっているのにどうしようもないん
です。」と話していました。そして、ペットが死んだくらいで・・ と周囲の理解が得られない事も話して
いました。 私は、「そういうお話はよくお聞きします。みなさん自分だけが・・ と悩まれるようですが
そうではないと思います。家庭にいる主婦にとっては、家族よりも一緒にいる時間が長いのですから
亡くした時に悲しみが強く出るのは当然の事だと思います。」何か力になりたいとお話ししましたが、
そんな事ぐらいしかできず、納骨を済ませてお帰りになった後もとても気になっていました。

1週間程たったある日、お参りに来られたご夫婦を見かけとてもびっくりしました。
奥様がとても元気になっていて、前回お会いした方と別人かと思う程印象が変わって見えたのです。
「その後どうですか?」とお聞きすると「とても元気になりました。納骨した事で死を受け入れる事が
できたんです・・・ あの子はもういないんだと実感できました。そうしたら嘘のように回復したんです。」
その言葉と奥様の笑顔に心から安心しました。

奥様が元気を取り戻せたのは、ご主人の思いがあってこそ。
素晴らしいご夫婦とお会いする事ができました。